阿南さんの国産きつき紅茶

紅茶にかけた松山氏の夢
大分県杵築市。かつて、海と山に囲まれた風光明媚なこの地を一大紅茶生産地にするという夢を持った方がいました。地域の人々が貧しさから脱するための換金作物として紅茶に目をつけた開業医松山意佐美氏です。当時の日本政府は、紅茶を貨獲得の手段として積極的に栽培を奨励していたのです。松山氏の尽力の結果、杵築紅茶は農林水産省から紅茶栽培の適地とのお墨付きを受け、品評会でも全国1位を受賞するまで品質を高めていったのです。
しかし、1971年紅茶の輸入自由化に伴う価格競争で国産紅茶は大打撃を受け、そのほとんどが消滅してしまいました。杵築紅茶も例外ではなく、松山氏の夢が現実となろうとした矢先に完全に生産が途絶えてしまったのです。
「杵築」紅茶の復活
その杵築紅茶を「きつき紅茶」として蘇らせたのが阿南康児さん。松山意佐美氏のお孫さんが阿南さんの奥さまです。阿南さんはもともと緑茶のみ栽培されていましたが、その茶畑の奥に松山氏が植えた紅茶の木がわずかに残っていたのです。もともと紅茶好きな阿南さんは、個人で楽しむために松山氏の残した紅茶葉を使用し紅茶を作られたのでした。
しかし、完成した紅茶の味があまりによかったため、紅茶の本場インドに滞在経験のある友人の方に飲んでもらったところ…「本物の紅茶の味だ!」と絶賛されたのです。
その言葉をきっかけに、本格的に紅茶栽培に取り組み始めた阿南さん。紅茶専門店に紹介されたことをきっかけに阿南さんの紅茶は評判を呼び、今では都市圏の専門店で海外の有名生産地の紅茶と同列に並べられるほど「国産きつき紅茶」としての地位を確立したのです。
阿南さんこだわりの紅茶葉づくり
「国産紅茶はブランド力では世界の有名紅茶産地には勝てない。だからこそ実際に飲まれて『美味しい』と思われる紅茶、そして国産紅茶としての個性をもったお茶を作らないといけない」同時に、「そのことはプレッシャーでもあり、だからこそ楽しくて紅茶作りは辞められない」紅茶作りについて語られるときの阿南さんは本当に楽しそうです。そんな阿南さんだからこそ、常に理想の紅茶づくりへの研究を怠りません。栽培方法も極力農薬や化学肥料を使用せず、草むしりを繰り返し、油かす主体の堆肥を使用するなど、手間と時間をかけながら紅茶葉を毎年丁寧に育てています。
さらに、阿南さんの茶畑は山の斜面にあります。大きな機械は導入することは出来ませんが、気流を停滞させず茶葉の天敵である霜が降りにくいという利点があります。加え、土壌に保水性があり斜面ゆえ水はけにも優れ、周辺には太陽光をさえぎるものもありません。そのため、化学肥料に頼らずとも良質な茶葉ができるのです。
阿南さんのきつき紅茶で、ゆったり時間
紅茶はデリケートな嗜好品です。同じ紅茶でも淹れ方や使用される水によっても全く味が異なり、収穫時期によって味は異なります。現在、阿南さんのお茶園では、4品目の紅茶専用品種が栽培され、緑茶葉やブレンドも含めて9種類の紅茶が生産されています。その中から、とっておきの紅茶をご紹介させていただきます。
べにふうき
ダージリンとべにほまれを交配した新品種で、濃い紅色と高い香気が特徴です。味は濃厚でミルクティにもおすすめです。
匂い桜花入り
桜の花に匂いはあまりないのですが、匂い桜だけは花の香りがある品種なのです。阿南さんのお家に咲く匂い桜を乾燥させたものを紅茶葉とブレンドしています。あわい桜の花入りの紅茶です。
レモンハーブブレンド
阿南さん自家製のレモングラス・レモンバーベナをブレンドしました。さっぱりした飲み味に加え、フレーバー系の香りがとっても爽やかです。
水出しブレンド(べにひかり)
苦み渋みが少なく飲みやすいのが特徴です。渋みがほしい人は熱いお湯で淹れた後、急速に冷却させてください。水出しに最適な品種です。
連絡先
- 生産者
- きつき紅茶
- 電話番号
- 0978-63-3704
- FAX
- 0978-63-3704
















