常温便商品は、5,000円以上購入されると、500円(1個口)当社負担、冷蔵・冷凍便商品は、6,000円以上購入されると、680円(1個口)当社負担

豊後大野市緒方町

ミルクファームフルショウ 古庄史老氏

今回のかたりべは、「むかしながら」そんな言葉がよく似合う、大分県豊後大野市緒方町で、酪農とジェラート作りをする、古庄史老さんです。

「緒方町は、山のふもとに田園風景が広がる、見たとおりの自然豊かな場所で、どっぷりと田舎に浸るにはうってつけです。そして農村には人間の原点があるんです。」と古庄さんは語ります。

春には、田んぼに約100種類50万本のチューリップが咲き誇る「チューリップフェスタ」が開かれます。古庄さんのジェラート屋のすぐ近くには「原尻の滝」があり、多くの人が訪れます。緒方町には、長い伝統を持つ祭りがいくつもあります。盆の伝統行事「小松明火祭り」。虫除けと農村一揆の供養を兼ね、数え切れない数の松明が、緒方平野を照らします。秋の祭り「川越し祭り」。毎年11月半ば、ふんどし姿の男衆達が御輿をかつぎ川を渡るお祭りです。他にも神社ごとにそれぞれ古くから受継がれている祭りがあったりと、他の地域には真似の出来ないすばらしい宝を持った地域です。

古庄さんと酪農

酪農家古庄さんは、現在乳牛5頭程を飼い、搾りたての牛乳でジェラートを作っています。今の酪農スタイルになるまでには、様々な思いがありました。

古庄さんが酪農家になったきっかけは、搾りたての牛乳のおいしさを知ったからです。今から40年ほど前、牛乳といえば、病気の人かお金持ちの人の飲み物でした。経済発展の真っ只中、農村では、父ちゃんは出稼ぎに行き、農業は、じいちゃんとばぁちゃんが担っていました。これでは農業を継ぐ人がいなくなり、農村は衰退する・・・。酪農は世の中が求める時代になる。10頭程度飼えば生活ができると、北海道で酪農の勉強をしていた古庄さんは、搾りたてのおいしい牛乳を飲みながら、酪農家になることを決意したのだそうです。

古庄さんの考える酪農とは、搾りたての牛乳が、そこに住む地域の人に飲まれること。むかしは、牛を2~3頭飼って、次の日までには地域の人へ配られていました。ところが、今は、早くても数日はかかるそうなのです。世の中は、高度経済成長期、所得倍増を目標に、大規模酪農が行われるようになり、牛のえさは海外に頼らざるを得なくなりました。古庄さんも一時期は、40数頭を飼うまでに規模を拡大したそうなのですが、施設費や飼料代は高く、獣医さんにかかる回数も多くなり、古庄さんは、この酪農体制にはついていけないと、頭数も減らし搾りたての牛乳を提供できる方法を模索しました。ちょうどそんな時、「ジェラート」が日本にも入ってきました。田舎の小さな加工設備でも出来、搾りたての牛乳をすぐに加工できる。古庄さんの目指しているものと、「ジェラート」が合致したのです。新鮮な搾りたての牛乳を低温殺菌します。低温殺菌の牛乳は、本来の牛乳の味を損なうことがありません。そして、地元の農産物を使ってジェラートを作ります。地元の農産物だからこそ、完熟した、もぎたてをすぐに加工出来ます。「贅沢なジェラートですね」という問いかけに、古庄さんは「当たり前のことをしているだけです」と笑って答えられました。

牛は朝昼晩の3食というわけではなく、一日の中で、もぐもぐもぐもぐ草を食べ、なんと60kgほどの草を食べるんだそうです。古庄さんの牛が食べる草は、古庄さん自ら育てています。畑に4トン分。種をまいて育てて刈って。牛は草食ですから乳は当然食べた草そのもの。えさはとても重要です。おいしい草をいっぱい食べて、清潔に過ごす古庄さんの牛たちは、獣医さんにかかることがほとんどないそうで、健康な証です。頭数が多いときは、病気になる牛も多く、悪循環だったそうです。病気にかかった牛の乳は、バランスの悪い牛乳。だから健康に飼うということが良い乳を出す牛の条件。「基本的には、牛も人間も同じで食生活が大事なのです」と古庄さんは教えてくださいました。

体験を通して子供たちの成長を見守る古庄さん

自然の中で遊びを作りだすことにより、生活の一環から体験を通して生きる力を身に付けていくのは、むかしは当たり前でしたが、現代は何でも手に入り、成熟した社会。子供たちはどう生きていくか、生きがいを見つけるのが大変でしょうね。「自然の中での体験こそが、子供を成長させるのです」と、古庄さんの牧場では、乳搾りからジェラート作りまでを体験できます。最初は、牛に近づくのも怖いこどもたち。そこをぐっと勇気を出して近づき、触ってみる。ここでどう壁を乗り越えるか。次々に小さな壁を乗り越えるうちに、子供たちは喜びを感じていくのです。小さいときに本当の牛乳や農産物の味を知ることによって、食べること、生きることを知るのは大事なことです。古庄さんは体験を通して、積極的に、子供たちに生きることを教えています。「この味を忘れるなよ~」と古庄さんの元気な声が、子供たちの心にも届いていることでしょう。

地域の宝と力が集まって、都市部との交流が始まりました

自分の生まれたふるさとを大切に思わない人はいないでしょう。ふるさとが、高齢化し、過疎化していくのを眺めているわけにはいかない。古庄さんのように、農村を守り、消費者を育て、子供たちの成長を見守り、地域の発展を願う。そんな思いを同じくする仲間たちとともに、自分たちの力で村おこしを!と古庄さんを発起人に、NPO法人「水車」が立ち上がりました。水車は、ひとつの力では動かない。いろいろな力が加わって回っているのです。NPO法人「水車」は、「農村と都市の人々が交流しながら、一緒に伝統や農業を盛り上げ、共に農村を守り育てていこう。」という思いで活動が行われています。

おばあちゃんのみそ作りや、田植えなど、昔ながらの食文化、伝統行事、様々な地域の良いものを、農村に直接入って、体験してもらいたいと、都市部の人に向けて、交流活動を始めています。「目の前にあるすばらしい自然や文化、農村を、そのまま都市の人にも知ってほしい。食べるものを肌で感じ、生きたものを食べて私たちは生かされているということを知ってほしい。飽食の中で、生産する現場を知り、スーパーに並んでいるような綺麗な形ではなく、野菜だって、病気にもなる。形がいびつなのもある。農村を育てるためにも、消費者が、その奥を知り、求め方が変わってくることを願っています。」と古庄さん。

「農村には、人間の原点がある」と古庄さんがおっしゃるように、生きる原点を見出し、生きる意味を体ごと感じることが出来る、古庄さんを含め、緒方町はそんな場所のようです。

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